再来一碗!「パラダイス・ネクスト」①

インタビューの中でたくさんのお話しをしてくださった半野監督。しかし映画を鑑賞する前に見てしまうとネタバレになってしまいそうな事もたくさんあって・・・でもこのままお蔵入りするのはもったいない!!
そこで!【再来一碗!】=「おかわり!」ということで、1度鑑賞された方が読むと必ずもう1度見たくなる!
そんな半野監督のインタビューを追加でご紹介します!

(●最初のネタバレ無しのインタビューはこちら!

© F.A.E.P.

※以下、ネタバレを含む内容(青文字部分)になります。
くれぐれも「映画鑑賞後」にご覧ください!!

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<花連のバイクのシーン>

半野監督:例えばバイクのシーン、本当の夜明けにするのはリスクが高いんです。後からCGとかで朝にするという方法もありますが、本当の朝でないと人のバイブレーションが違うじゃないですか?だからあれは1回しかできなかったんですよ。夜明けのあの色って20分しかないから。で、雨上がりだって設定にしてるけど、実は雨上がりでもなんでもないですからね!あれ街全部濡らしたんですよ!

F:えーーーー全部ですか?!

半野監督:遠くまで全部濡れているでしょ?あれはスタッフに「監督、どこまで道濡らしますか?」って言われて「映るところ全部だよ。」って言って(笑)それで500メートル、600メートル向こうまで全部道を濡らすんですよ。その作業に何時間もかかるんですよね。やっているうちのこっちは乾いてくるから。

F:確かに(笑)

半野監督:でもそれをやると2~3シーン撮れないシーンも出てくるんです。それでも1シーンの空気感とか光の豊かさっていう事を今回はやりたいから、それで多少の齟齬はでるけど・・・もうそこは最初っからお叱りを受ける事は覚悟していこうぜって(笑)

 

<牧野の車での独白>

F:映画のパンフレットも頂きましたが、パンフレットにも説明はあまりないですよね?

半野監督:そうですね、少しだけですね。当然、頭に入れるんですよ。何年何月どこそこで事件があって、でそこから何か月後・・・とか。でもそういうのも今回は全部やらない。もう全部やめようと。

F:もう、ここから徹底してるんですね。

半野監督:一番最後に妻夫木君扮する牧野という男が車の中である独白をするじゃないですか?あそこも撮影が始まる直前まで、あそこで何が起こったのかという過去が明らかになる回想が入ってたんですよ。

F:上映されたシーンよりもっと細かく話していたという事ですか?

半野監督:いや、あの告白シーンに過去の回想シーンも入れる予定だったんです。

F:あぁ!なるほど!

半野監督:でも、結局現場に入って台湾でこんなクソみたいな事やめようって。

F:クソって(笑)

半野監督:というのは、なぜそのシーンを撮らないといけないのかっていうと「これで納得してもらわないと話がおちない」からなんです。過去に女が死にました、そこに豊川さん:島がいました、実は薬を渡したのが牧野:妻夫木くんでした、みたいなのはあるんですけど。それでみんなからは「あぁ、そういう事なんだ」とは言ってもらえるだろうけど、果たしてそんな映画が面白いのかなぁと僕らは考えたんです。僕たちには2人のすごくいい俳優と素晴らしい台湾のスタッフがいる。それならそんな保険をかけなくても、この2人の動きと表情で事実は何かと明確に伝わらなくても、何かものすごく大きなぶつかり合いがあったんだって事に集中した方がいいんじゃないかって事になって、そういうの全部やめたんです。俳優にも脚本に回想シーンになるって書いているけど全部やめるからって言ったんです。

F:当日ですか?

半野監督:いや、台北での撮影の終わりくらいです。もう2人のシーンだけでいきますと。だから多分何が起こったかは観客には詳しくは分からないかもしれません。でもこの2人の空気を切って回想シーンに行きたくないんだと、最後まで2人を見てたいんだって、だからもうそれはやりませんって事になりました。まぁ、それでどんどん話がややこしくなっていったっていうのはあるんですけどね。(笑)
僕はね、全部説明したら1回は納得してもらえる映画になると思うんです。でも果たしてもう1回見たいなって思える映画になるかどうかって別だと思っていて。

F:わかります。

半野監督:1回目は結構3割ぐらい腹立ったかもしれないけど、もう1回見たら腹立つのが2割ぐらいに減ってってね(笑)そういう繰り返し見れる映画にしたいなら、あんまり「この謎解きがここでこうで」とか「わぁ!」って驚くような感じじゃなくて、じわーっとしみ込むような感じの映画の方が何回も見れるじゃないかって思いがあってこういう映画になりました。

 

<島と牧野の出会いのシーン>

F:オープニングのシーンといえば、島と牧野の出会いのシーン。豊川さんの島の沈黙のシーンが5分ぐらいあったんですよね。

半野監督:ありましたよねぇ。牧野、牛肉麺食べ終わってますもんね?

F:あの間は役者の間なんですか?

半野監督:あー・・・あれはね。
完全なNGテイクなんです。あれ、ただ単に豊川さんがセリフ忘れてただけなんですよ。

F:えぇぇ!!!

半野監督:本当はもっとちゃんと撮ったテイクがあるんですよ。あれの三分の一の尺であるんです。牧野が入ってきて「それうまいの?」って聞いて、「ねぇ、島さん。」って言ったらすぐに「お前誰だ。」って言われて「え?」っていう所からちゃんとカットバックになって、それで「あんたの救世主だよ。」ってクローズアップになって終わるっていう映画セオリー的なカットも撮ったんですけど。でも、あのNGテイクが一番面白かったんですよ。

F:はい、ぐーっとひきつけられました。

半野監督:本当に出会うべくして出会った2人なんだけど、片方の男からしたら一体誰か分からない、もう片方は何かを伝えたいんだけど、どうしていいか分からないって関係の中で、妻夫木君は本当に食いながら「ねぇ、島さん。」って言ったらすぐに「お前誰だ。」って言って「えー俺?」っていうはずだったのに、全然何にも言わなくて、こーやって(無言で食べ続ける豊川さんの真似をする)やってるから、妻夫木君は食い終わっちゃったなぁ・・・ってなって(笑)それでやむを得ずテーブルを蹴ったんですよ。でも豊川さんがテーブルをスーッと元に戻しちゃって。

F:そうです!ヤクザなのに丁寧に戻したなって思いました(笑)

半野監督:それで妻夫木君がまた困って、もう駄目だってなって「何とか言えよ島さん。」って。あれは「島さん、セリフ忘れてますよ。」って意味なんですよ(笑)それでやっと豊川さんが気づいて「お前誰だ。」って(笑)
だからカットって言った時に豊川さんが立ち上がって「ごめん!監督!俺セリフ忘れてた!」って謝ったシーンなんです。でもあれがね、本当に一番面白かったんですよね。

F:いやーそうなんですね。あまりの沈黙で今から何が始まるんだろうって思ってました。

半野監督:何も始まんないんですよ(笑)当然あれも一人のプロデューサーからすごい反対されたんです。このシーンがあるだけで観客がここで見る気無くなるって。でも、ものすごくあの2人の微妙な関係性があそこで分かるじゃないですか?いかに島がそっけなくて、こっちはコチャコチャしてるかって分かるし。なんかあの変なかみ合わなさっていうんですかね・・・まぁ本当にかみ合ってないからねっていうので結果的にあのテイクにしたんです。だから最後のクローズアップも辞めたんです。

(再来一碗!②に続く)

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