映画「パラダイス・ネクスト」半野喜弘監督
2019年8月23日(金)F.A.E.P.単独インタビュー①

7月27日から公開になった「パラダイス・ネクスト」は妻夫木聡と豊川悦司のW主演、スタッフは監督とカメラマン以外はほぼ台湾スタッフでオール台湾ロケ、というアジアファンの心をくすぐる作品。 今回はプロモーションのために来福していた半野監督に、 インタビューのお時間を頂くことができました。

© F.A.E.P.

F.A.E.P.(以下F):初めまして。今回お時間を頂けてとても感謝していますが、同じぐらいとても緊張しています。

半野監督:え?どうしてですか?大丈夫ですよ!

F:映画評論家ではないので知識が不足している所もあるかもしれませんが、少しでも映画の良さを皆さんに伝えられるようにと思っています。

半野監督:はい。よろしくお願いします。

F:早速なんですが、いつもゲストの方に福岡を知っていただけるようなお土産を用意しているんですが、お酒は飲まれますよね。

半野監督:飲みます!飲みます!

F:良かったです。福岡の八女という所にある酒造メーカーの夏限定のお酒なんです。パッケージがワインぽいのでいいかなと思って選んでみました。

半野監督:うんうん、いい感じですね。ありがとうございます。飲ませてもらいます。

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F:「パラダイス・ネクスト」の主演の妻夫木さんは福岡出身なんですが、半野監督は福岡は何度も来ていますか?

半野:うん、もう結構来てますよ。十数回とか。

F:福岡のイメージってありますか?

半野監督:福福岡の人は・・・飲んで食うのが大好きってイメージ(笑)

F:間違いないですね。お気に入りのお店とかありますか?

半野監督:僕はね、あそこですね『新三浦』の本店。

F:『新三浦』ですか?

半野監督:そう水炊きのお店でね、そこの本店が好きです!

F:本店じゃなきゃダメですか?

半野監督:そう本店!

F:今回は今日来られたんですよね?日帰りですか?

半野監督:いや、明日の夕方ぐらいに戻ろうかなと思ってるので、もう明日の昼に『新三浦』の本店を予約してます!

F:予約済ですか?

半野監督:はい!

F:福岡市内の上映はKBCシネマさんなんですが、半野監督は劇場を見たことがありますか?

半野監督:え、前に違う作品の時にお世話になったときにチラッと。

F:福岡もシネコンが増えたので単館の映画館が少なくなってしまったんです。

半野監督:そうですよねぇ。

F:以前はたくさんあって、そういう映画館でアジア映画の上映が多くて。私は10代後半の頃、比較的周りがハリウッド俳優に夢中だった時代にトニーレオンやレスリーチャンを追いかけてたので良く利用していたんです。

半野監督:あ!僕が一番最初に映画音楽で仕事した俳優がトニーさんなんですよ。

F:はい!経歴を見させて頂いて、おぉ!って思ったんです。KBCシネマはそういったアジア映画を今も上映してくれる数少ない場所なんですが、そこで「パラダイス・ネクスト」が上映されるのはピッタリだなと思ったんです。

半野監督:そうですね。でも1週間の上映で、そんなに上映回数が多くないから、見てくださる方がスケジュール合わせてもらうのが大変だと思いますが、やっぱり映画館で見てもらったほうが伝わる事がたくさんあると思うので、是非劇場で観てほしいです。

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F:私は一足早く拝見させてもらったんですが、見終わったあとしばらく映画の事をずっと考えてました。作品の事が頭から離れないイメージだったんです。

半野監督:ありがとうございます。

F:100分の中に色んな事が詰まっていて。だから映画を見終わって別の事をしていてもふと「あれは、何だったんだろう」って考えちゃうんです。実際にはもう少し長いお話しなんですか?

半野監督:そうですね、本当は、主人公の2人が台湾にやってきたんだというバックグラウンドもあったし、撮影している部分もあったんですが、最終的に僕たちがこの映画として何を選ぼうかと考えた時に、説明をして納得してもらう映画ではなく、何かを感じてもらうっていう映画の方にシフトした方がいいんじゃないかと考えました。理路整然と並べていくと確かに分かるんです、こういう理由でこういう事をするんだって。でも、どうしてこういう行動をするのか、どうしてこの言葉を言ったのかという説明がなくても、何かを一緒に楽しんでいけるっていうような映画を作ることはできないのかなーって。今は全てを過剰に説明するっていうモノが増えてしまったと感じます。例えばテレビでも誰かが言ったことが聞き取れるのに、なおかつ視覚情報も入るじゃないですか?同じように映画もきっちりと相手に伝えることが最重要になっていて。それはもちろん重要な事なんですが、そうじゃなく、余白の部分を一緒に想像するような映画、そういう映画にするのがこの作品にとっては一番いい方法なんじゃないかなって最終的に思ったという事です。まぁ、ずいぶん反対もありましたし、上映してからも、色んな人にずいぶん叱られてるんですけどねぇ(笑)

F:そうなんですか?

半野監督:映画をバカにすんのかーとかね(笑)要は、ちゃんと語らないってどういう事なんだって事です。僕は必ずしも丁寧に物語を語ることだけが映画だとは思ってなくて、物語性以外の魅力を持った作品が好きだったりします。つまり、この映画はどちらかというと後者だということです。

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F:そうですね。語られる事が少ないから見た後に自分で色々と想像して何度も見たくなるんです。今回何度か見せて頂けたんですけど、2度目は最初から答えを探そう、伏線を回収しようとしちゃって。でも・・・言葉が適切かどうか分からないんですが、もう途中から「もういいや、考えるのやめよう。」って。ただもう映像だけ見ていたいって気持ちになりました。

半野監督:僕たちは映画を撮影してる時に様々な制限があるんです。予算であるとか。予算の制限があるってことは日数の制限があるって事で、何を撮るのかって追い込まれるんですよね。例えばあと3シーン増やして説明をすると「なぜこの男が今ここにいるのか」というのがすごく分かる。でもこの3シーンでどうしても使いたい「光」を待つことができない。そうなったらどっちを選ぶかって事なんです。本当は全部できたらいいんですが、そうじゃない時は何を選ぶかという決断が必要になります。僕たちは今回は説明を省略しても観客の方が興味を持ってくれるだろうと信じて、ここのワンシーンの「光」を待つために、ここの説明を捨てようと。説明を捨てたいから捨てたわけじゃないんです。例えばバイクのシーン、本当の夜明けにするのはリスクが高いんです。後からCGとかで朝にするという方法もありますが、本当の朝でないと人のバイブレーションが違うじゃないですか?だからあれは1回しかできなかったんですよ。夜明けのあの色って20分しかないから。でもそれをやると2~3シーン撮れないシーンも出てくるんです。それでも1シーンの空気感とか光の豊かさっていう事を今回はやりたいから、それで多少の齟齬はでるけど・・・もうそこは最初っからお叱りを受ける事は覚悟していこうぜって(笑)

F:1回目を見た後は半野監督にあれも聞こう!これも聞こう!って謎解きをしたいって気持ちが正直あったんですが、2度目を見たときに「あぁ、この映画はそういうんじゃないんだな。」って。これは私が想像して楽しんでいい映画なんだなって思ってましたが、それでいいんですね。

半野監督:はい。いいです。

(インタビュー②に続く)

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